平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち NO12 (2004/03/15号)

『イギリス 王立エデインバラ植物園のロックガーデン』

ロックガーデンに植えられる植物には、ヨーロッパ アルプス(ピレネー アルプスを含む)や中国からヒマラヤにかけてのものが圧倒的に多い。また、地中海沿岸地方から小アジア原産のものも多く見られる。それらの中にニュージーランド原産のものもよく目につく。これらには白い花色のものが多いのが特徴のようだ。

(1) 岩上を這う潅木〈Genista lydia〉 マメ科 小アジア原産。
5~6月頃に明るい黄色の花を小枝にいっぱいつけて美しい。

(2)葉が変わっているオキザリス〈Oxalis enneaphylla v.minutifolia〉 カタバミ科 フォークランド島、パタゴニア原産。
原種の花は白色。この種は葉が小さくピンクの花は初夏より長く咲いている。

(3)花をデザイン化したような〈Centaurea montana v.ochroleuca〉 キク科 ヨーロッパ原産。
種のmontanaの花はブルーだが、これは学名の通り帯黄白色の花で初夏に咲くもの。

(4)茎葉が密のクッションとなる〈Dianthus subacaulis〉 ナデシコ科 ピレネー アルプスなどの沿海地原産。
6~8月にピンクの花が緑のカーペット上に咲く。スクリー(砂礫地)に向く。

(5)こわばった葉に清楚な白い花の〈Celmisia coriacea v.stricta〉 キク科 ニュージーランド原産。
硬くて先が尖ったローゼット状の葉から丈夫な茎を出して、初夏に真白い花を咲かせる。セルミシア中一番大きな花。

(2004/03/15号 平馬 正 著